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しおごりひろめ

シオゴリひろめ

紀州・田辺湾の新たな恵み! 地元漁師が育てる海藻「潮垢離(しおごり)ひろめ」

豊かな自然に囲まれた田辺湾で、今、環境に優しく、春の食卓を彩る新たな海の幸「潮垢離ひろめ」の養殖が進められています。

地元のプロたちが生み出す確かな品質

 

この「潮垢離ひろめ」は、ひろめのスペシャリスト「ヒロメラボ」を主宰する山西氏が、徹底した研究に基づき開発した優良な「ひろめ種苗」を使用しています。

この優良種苗を、田辺湾を知り尽くした地元の漁師の方々が、手間暇かけて大切に養殖しています。地域資源を活かし、研究者と漁業者が連携した、まさに田辺湾発のブランド海藻です。

独特のぬめりと歯ごたえ 春を告げる旬の味覚

 

潮垢離ひろめの収穫時期は、まさに春の訪れを感じる季節。

その最大の特徴は、**「独特のぬめり」「心地よい歯ごたえ」**です。磯の香りが豊かで、口に含めば田辺湾の清らかな潮の風味が一気に広がります。

 

海の環境を豊かにする「ひろめ」のチカラ

 

潮垢離ひろめの養殖は、私たちの食卓を潤すだけでなく、田辺湾の**「海の環境保全」**にも大きく貢献しています。

  1. 豊かな藻場(もば)の造成: 潮垢離ひろめが成長することで、魚類や甲殻類などが産卵・生育するための**「豊かな藻場」**を作り出します。これは、海の生物多様性を支える大切な「ゆりかご」の役割を果たします。

① 魚を育む「海のゆりかご」— 藻場造成

 

ひろめが成長し、海底に広大な群落(藻場)を形成することで、多様な海の生き物の生命を支えます。

  • 稚魚の保育場(ナーステリー): 藻場は、アオリイカ、アワビ、サザエ、メバルなどの魚介類の稚魚や幼体が、外敵から身を隠し、安全に成長するための天然の隠れ家となります。

  • 水産資源の維持: 藻場の再生・強化は、田辺湾の水産資源の健全な維持に直結する、生態系サービスそのものです。

  1. 水質改善への貢献: ひろめは、海水中の**「窒素」「リン」**といった富栄養化の原因となる物質を効率よく吸収します。これにより、湾内の水質が浄化され、より透明度の高い美しい海を守る手助けとなります。

② 海をきれいにする「天然の浄化フィルター」— 水質浄化

 

海藻は、その生体活動を通じて、水質悪化の原因物質を取り除きます。

  • 富栄養化の解消: 排水に含まれる**窒素(N)リン(P)**といった栄養塩を、ひろめは自身の成長に必要な栄養分として効率よく吸収します。養殖を通じて大量のひろめが育つことで、海水の富栄養化を防ぎ、赤潮の発生を抑える効果が期待できます。

  • ブルーカーボン機能: 光合成によって海水中の**二酸化炭素(CO2)を吸収・固定(貯蔵)します。これは、地球温暖化対策として注目される「ブルーカーボン」**の取り組みであり、田辺湾の海藻養殖が地球規模の課題解決に貢献していることを示しています。

魚たちが泳ぐきれいな海水浴場へ

 

「潮垢離ひろめ」の養殖を通じて藻場が豊かになり、水質が浄化されることで、目指すのは「魚たちが活発に泳ぎ、誰もが安心して楽しめる美しい海水浴場」です。地域の歴史的背景と、環境保全への願いが詰まったこの海藻は、田辺湾の未来を形作る**「希望のシンボル」**なのです。


 

海藻「ヒロメ(広布)」とは?

 

ヒロメは、ワカメと同じコンブ目ワカメ科に属する大型の褐藻(かっそう)類です。しかし、全国的にはワカメほど広く知られておらず、主に**紀伊半島南部(三重県・和歌山県)や四国、九州の一部など、分布域が限定された暖海性(暖かい海域)**の海藻です。

和歌山県の田辺湾では、特に**「潮垢離ひろめ(しおごりひろめ)」**という名称で、ブランド化され養殖が行われています。

 

1. ヒロメの基本的な特徴

 

  • 形態:

    • 成長すると、大きいもので1メートル前後にまで達する大型の海藻です。

    • 平面的で広い一枚の葉(広布)が特徴的で、葉の中央に一本の芯(葉脈)があります。

  • 生態・旬:

    • 穏やかな潮通しの良い岩盤上に着生し、冬から春にかけて大きく成長します。

    • 収穫期は主に2月~4月頃で、この時期に生のものが地元の市場や飲食店に並びます。

 

2. ワカメとの違い

 

ヒロメとワカメは近縁種ですが、いくつかの明確な違いがあります。

特徴 ヒロメ(広布) ワカメ(和布)
葉の形状 一枚葉で、葉の端に切れ込みが少ない(楕円形、団扇状)。 葉の端に深い切れ込みがあり、複雑な形状。
胞子形成部 胞子葉(メカブ)を形成しないか、ほとんど目立たない。 **メカブ(胞子葉)**と呼ばれるひだ状の部分を茎の根元に形成する。
食感 やわらかさと独特のトロミがありつつ、シャキシャキとした強い歯ごたえが特徴。 やや硬めで、コシのある食感。
生息域 ワカメよりも暖海性(暖かい海域を好む)。 寒流や潮通しの良い場所など、より広い海域に生息。

 

3. 食用としての魅力

 

ヒロメは、その独特な食感と風味から、地元で非常に重宝される春の味覚です。

  • 湯通しで色が激変: 生のヒロメは茶褐色をしていますが、熱湯にさっとくぐらせると、瞬時に鮮やかなエメラルドグリーンに変わります。この色の変化が視覚的な楽しみでもあります。

  • 独特の食感: 柔らかさ、ぬめり、シャキシャキ感が絶妙に組み合わさっており、ワカメとは一線を画す風味と食感を楽しめます。

  • 主な食べ方:

    • しゃぶしゃぶ: 旬のヒロメの魅力を最も堪能できる食べ方で、ポン酢でシンプルにいただくのが人気です。

    • 酢の物・和え物: 湯通しして冷やし、酢や三杯酢、ポン酢で和えると、ぬめりが増して美味。

    • 汁物: 味噌汁や吸い物に入れると、独特の風味と食感がアクセントになります。

🤝 漁師と研究者の連携による高品質な生産

 

この環境に優しい養殖を支えるのは、ヒロメラボの山西氏が開発した優良種苗と、田辺湾を知り尽くした地元漁師の伝統技術です。研究と知恵が融合した「田辺湾モデル」は、地域資源を最大限に活かした持続可能な漁業の成功事例として注目されています。

 

安心・安全な**「潮垢離ひろめ」**をぜひご賞味いただき、その美味しさと、田辺湾の海の恵みをご体感ください。

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