和歌山県田辺市の有名な寺院というと、高山寺や海蔵寺が有名ですが、今回訪問した岩屋山 観音堂(観音寺)は、ひっそりとした佇まいでありながら、ほこらを利用した社は圧巻。

絶景の大自然、その中にある静けさと霊気ただよう雰囲気の場所で、ぜひ訪れてほしい寺院です。

和歌山県・田辺市 絶景と厳かな境内「岩屋山 観音堂(観音寺)」へ行ってきた。

岩屋山 観音堂(観音寺)へは、稲成からみかんで有名な大坊へ抜ける208号線を北に2.5kmほど進んだ左手にあります。

道路の左右にはひき岩群とよばれる奇怪な形の岩山が垣間見れるので、道中もゆっくりと景色を楽しんでみてください。

南から進んでいくと手前に参拝道、その奥に車道がもうけられています。

参拝道は階段なので、車の方は奥の茶色いガードレルのほう(車道)からどうぞ。

車道のほうから進むと、駐車場で参拝道を合流します。
民家横を通る細い道なので気を付けてくださいね。

駐車場は4~5台が止められるくらいの広さですが、方向転換などを考えると3台程度が限界かなと思います。

駐車場からは緩やかなスロープ状の階段が続きます。

しばらく進むと少し広場がありお地蔵さんが並んでいました。

前掛けときれいな花が供えられており、地元の人に大事にされているお寺なんだなと感じます。

広場を過ぎると階段が少し急になります。

本堂が見えてきました。
上り坂(階段)ももう少し、頑張って登っていきます。

階段は少し急なので、ハイヒールだと少し大変だと思います。

ほこらを利用した本堂、自然をうまく利用した姿。

大岩窟に作られた社は、背後の山と重なり冷気漂う佇まいです。大きなお寺ではなく、実際、見べきところも少ないですが、思わずたじろいでしまう姿で、背筋が自然と伸びます。

またその雰囲気は熊野古道に通じるものがあるように感じられ、京都や奈良、高野山などの寺院には規模でもはるかに及びませんが、その雰囲気は立ち寄って損のないものと思います。

 

今から約850年ほど前、那智山の滝で苦行された文覚上人がその後、牟婁地方をまわられた時、一夜の夢に霊感をおぼえて岩屋山に立ち寄られ、そして、大岩窟に念持仏の聖観世音像をおまつりしました。
これが観音密寺の始まりと伝えられている。
その後は、仏徳高い厄除け寺として、人々の信仰を集めてきましたが、昔、小栗判官兼次が、当山に参籠し観音霊夢によるお護りをうけたと語り継がれていることなどによっても、古くから熊野信仰につながる霊場として広く世に知られていたことがうかがわれます。
今もなお、『岩屋山』の名で親しまれ健康長寿、交通安全、学芸成就を願ってお参りする人々が後を立ちません。特に、ひき岩群に設けられた新西国33番霊場を巡れば、その眺めは絶景かつ雄大であり、大自然の静けさと霊気ただよう寺院として感慨そぞろ深いものがあります。高山寺の末寺であり、天正年間豊臣勢による熊野侵攻の際には、高山寺の尊像をここに移して災禍をまぬがれ、太平洋戦争末期にも、万一を考えて再度の避難地となった。
(岩屋山説明書より)

和歌山県・田辺市 『岩屋山 観音堂(観音寺)』

住所 田辺市稲成町2059